ユーザ事例 株式会社毎日新聞社様
- 紙の雑誌をPDF化するだけでは、もったいない
- iPad 向けデジタルマガジン”photoJ.” その舞台裏

iPad 向けデジタルマガジン読む写真誌「photoJ.」
毎日新聞社は、2010 年5 月28 日にiPad 向けデジタルマガジンとして、App ストアでの「photoJ.」配信を開始しました。iPad の国内発売に合わせリリースされた同アプリは、初期でのダウンロード数が1 万部を超え、AppStore(有料iPad App)のランキングで1 位を獲得するなど、ユーザーからの評価も非常に高いコンテンツです。同アプリの創刊号では、政治・経済・世界情勢・スポーツ・社会など様々なジャンルをラインナップし、現場から送られる臨場感のある写真や、縦横で画面が切り替わるレイアウト、スライドショー・動画の埋め込みなど、当時他のデジタルマガジンにはない特徴で話題を博しました。
「iPad の登場にあわせ、当社も何かしらの媒体配信に挑戦しようと思いました。当社にある媒体のなか、何の媒体を、どのような形で配信するか議論を重ねました。しかしながら、iPad を最初にみたときに、これだけ画面が美しく操作が軽快なデバイスへコンテンツを提供するのに、” 紙の雑誌をそのままPDF にするのはiPad にはもったいないな” と思いました。読む写真誌”photoJ.” のコンセプトはそこから生まれたのです。」( 糟谷氏)
「photoJ.」の制作環境
PDF ベースの電子書籍とは一線を画したインタラクティブなコンテンツが特徴的な同社アプリでが、その制作にはWoodWing 社が提供するWoodWingEnterprise デジタルマガジン制作ツールが採用されています。WoodWing Enterprise デジタルマガジン制作ツールは全世界36 カ国ですでに300 誌以のアプリの制作・配信システムとして導入され、ワールドワイドでトップシェアを誇るデジタルパブリッシングソリューションです。同社が本ツールの採用に至ったのは、米・TIME 社の発行するデジタルマガジン“TIME 誌” が大きく影響しています。
「iPad の発売当時、先駆けてインタラクティブなデジタルマガジンの配信を行っていたTIME 誌を見て衝撃を受けました。当時、印刷で使用していたPDF をそのまま流用するデジタルマガジンが流布していたなか、誌面の縦横のデザインの切り替えや動画・音声が埋め込まれたコンテンツ、ピンチイン・ピンチアウトでの文字の大きさの調整など、デバイスを活かした様々な工夫が凝らされた誌面に目を惹かれました。さぞ、高度なプログラミング技術や特別な開発がなされているのかと思いきや、実は全てInDesign で作られたとのこと。それを実現しているのが、WoodWing 社のデジタルマガジン制作ツールであると知り、すぐさま導入を決めました。その後すぐに、オランダにあるWoodWing 本社へ訪問し、トレーニングを受け、InDesign のインターフェイスからわずか2 日という短期間で「photoJ.」のプロトタイプを作成することができました。」( 糟谷氏)
「photoJ.」の特徴とは?
photoJ. は、「読む写真誌」というコンセプトで独自の原稿や素材を掲載しながら、毎日新聞本紙とは一線を画したコンテンツで構成がなされています。デバイスの特性を活かした、写真のスライドショーや動画の埋め込みはもちろん、ピンチイン・ピンチアウトでの文字の拡縮、端末の縦横に合わせレイアウトが変わるデザインなど、紙媒体や他のデジタルメディアとは異なるデジタルマガジンならではの機能が組み込まれています。その雑誌のつくりとコンテンツの内容は世界的に大きく評価を受け、リリースされた年には、世界新聞協会-新聞技術協会(WAN- IFRA)主催のアジア・デジタル・メディア・アワード(ADMA)2010 で、電子リーダー・タブレット部門の銅賞を獲得しています。
「写真の美しさもさることながら、一般的なデジタルマガジンとは一線を画したコンテンツ、操作感が大きなポイントとなります。タブレットの特性を活かし、タテとヨコでデザインが変わったり、動画やスライドショーの埋め込みをおこなうなど、ユーザーが楽しめる工夫を凝らしています。表紙やインデックスも、随時、更新するといったデジタルデバイスならではの配信も行っています。紙媒体である本紙では、取材陣が時間や労力をかけ撮影を行ってきた写真素材も、1つの記事に対して1 枚に限られてしまいます。しかもカラーで掲載できるのは1面限りと、様々な制限がされていました。しかしながらデジタルマガジンでは、関連するコンテンツを、工夫を凝らすことで複数枚掲載することが可能になります。デジタルデバイスだからこその悩みや課題もありますが、デジタルだからこそ出来ることを最大限に引き出し、読者が誌面を見た瞬間、見ただけで楽しめるコンテンツ、触りたくなるコンテンツの企画を日々練っています。」( 糟谷氏)

今後の展開について
現在photoJ. は、定期購読や有料コンテンツの配信など、当初の構想はほぼ実装がされています。2011 年7 月には、タブレットデバイスへ向けたデジタルマガジン配信の企画・制作に特化した新媒体本部を設立。今後のコンテンツ強化を想定し、現状6 名で構成される同部署も12 名へ人員増強がされる予定です。意欲的な取り組みを続けられる同社では、既に新たなデバイスへの配信や新機能の実装の検討を始めています。
「今後のタブレットデバイス市場において、iOS のiPad だけに留まらずAndroidOS が組み込まれたデバイスの普及も期待でき、今後photoJ. のAndroid配信もステップのひとつとして取り組みを行うべきであると考えていす。ひとつのデバイスにしばられることなく、配信を行えることはWoodWingEnterprise デジタルマガジン制作ツールの大きな魅力のひとつです。また、iOS に関しても新バージョンへの対応に即した新機能の追加もありますので、同社でもいち早く取り入れ、次の新しい企画を出していきたいです。また、コンテンツ自体に関しては、誌面上でのウィジェットの活用によるインタラクティブなコンテンツの充実を追求したいですね。写真が360 度回転しパノラマで見せる表現や、画像を指で撫でることでスクラッチシートのように別の画像が出てくる表現など、工夫の手段は様々です。マルチプラットフォーム・マルチデバイスでのインタラクティブなコンテンツ配信を実現させ、今後より読者を増やす取り組みを行いたいです。まだまだ市場は狭いですが、今後の市場の成長を見越した取り組みを継続していきたいと考えています。」( 糟谷氏)

株式会社毎日新聞社
株式会社毎日新聞社
編集編成局 新媒体本部長 糟谷 雅章様
株式会社 毎日新聞社について
毎日新聞社は、日刊新聞の発行、雑誌や書籍の発行、メディア事業、スポーツや文化事業の企画開催など、幅広い事業に取り組む新聞社。1872 年( 明治5 年)2 月21 日に創刊された『東京日日新聞』を源流とし、現存する日本の新聞社では最も古い歴史を持つ活字メディアの先駆者です。「インテリジェント・ブルー」でデザインされた同社のシンボルマークには、毎日新聞社が高度情報社会の中で、時代を読み取り、指針を与える「目」の役割を果たす企業でありたいという願いが込められ、公正かつ正確な情報を届けています。
iPad 向けデジタル雑誌「photoJ.」について
ニュース現場から送られてくる臨場感溢れる写真や動画が随時更新される、iPad 専用のデジタル写真雑誌です。同アプリは世界新聞協会-新聞技術協会(WAN-IFRA)主催のアジア・デジタル・メディア・アワード(ADMA)2010 で、電子リーダー・タブレット部門の銅賞に決まるなど、大きな注目を集めています。





